単元 身の回りの生物
目標 身の回りの生物として昆虫の体のつくりに着目して、複数の種類の昆虫の体のつくりを模型を作りながら比較する。それによって昆虫の成虫の体は頭,胸及び腹からできていることなどの体のつくりの特徴を捉えることができる。
観察・実験
導入
自分の知っている昆虫または、学習した(飼育した)昆虫について思い出そう!
【学習課題の確認】「こん虫のからだのつくりはどのようになっていたのだろうか?」
-からだのつくりは?肢の数は?
工作
昆虫模型作製キットを使って、昆虫模型を作ろう!
◆つまようじを骨組みにして、粘土で体をつくる。
◆翅は台紙からハサミで切り取る
◆肢や触角にはモールを使う
⇒頭、胸、腹のつくり、肢の数など、
できるだけ正確に作るよう指示を出す。
ポイント:このときは教科書や図鑑など参考になるものを何も見ないで、考えて(思い出して)作る。

検証
昆虫の体のつくりを正しく反映した模型を作ることができていたか、評価する
⇒教科書や図鑑、ICT機器を活用する(豆知識参照)。
修正
作製した昆虫模型の問題点を修正し、正しい体のつくりにする。
まとめ
「こん虫の成虫は、頭、むね、はらからできている」「あしは6本ある」「あしやはねは、むねにある」
豆知識
-
教科書や図鑑以外に以下のICT関連教材も活用できる。
・ものすごい図鑑(NHK for school)
http://www.nhk.or.jp/school/sukudo/zukan/
画面上で、昆虫を自由に回転させたり、拡大・縮小させたりして観察することができるデジタル図鑑。それぞれの昆虫についての豆知識も豊富。
(2018年10月現在、トノサマバッタ、オニヤンマ、クマバチ、ハンミョウ、カブトムシ、モンシロチョウが閲覧可能。)
・Actioforma KOS(無料アプリ)
生物分野を中心とした理科教育関連の3Dコンテンツ・映像・画像を提供するアプリ(2018年10月現在、iOSのみ対応)。
昆虫の頭、胸、腹を色分けして表示させることもできる。
赤青メガネを使って立体的に観察することも可能。
・簡易昆虫標本をつくる方法。
UVレジン(100円均一などで入手可能)
オリジナルのアクセサリーを作るための樹脂素材。アリやセミなどの乾燥した昆虫を、型に入れて封入したりコーティングしたりして、自然光をあてて樹脂を固める。長期保存・観察が可能。
指導計画表
1 2 | 【いろいろな昆虫の体のつくりを調べて、昆虫の体のつくりをまとめる】 身近な昆虫(例えばアリ)の観察を通して、野外にいる昆虫への興味関心を高め、昆虫の体のつくりの共通点や差異点をあげられるようにする。 |
3 | 【トンボやバッタの育ち方】 トンボやバッタなどの幼虫を飼育して、成虫になるまでの過程について理解を深める。 |
4 | 【不完全変態と完全変態の比較】 不完全変態の昆虫(例えばトンボやバッタ)と完全変態の昆虫(例えばチョウ)の育ち方を比較して、昆虫の育ち方の違いについてまとめる。 |
5 6 | 【昆虫のすみか】 どんなところに昆虫がいるか話し合い、校庭や、近くの公園などで昆虫を探して、食べものとすみかの関係について考える。 |
7 本時 | 【昆虫について学習したことをまとめる】 自分の知っている昆虫や、飼育した昆虫を思い出してみる。 体のつくり、肢や翅の付き方、数を思い出してみよう。 ⇒粘土等を利用して昆虫模型を作る |
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実験レポ
3年理科「こん虫調べ」の単元のまとめで利用させていただきました。本単元では、飼育、観察、デジタル教材の使用、モデル図に表わして昆虫の体のつくりを学ぶ学習を終え、十分な理解を図った上で、単元のまとめに入りました。ノートにモデル図を書き表す学習では、クラスの大半の子が正しく描くことができていたのですが、粘土を使って立体的に表すとなると、多くの子が足の生え方や羽の向き等を間違えてしまいました。それを修正していく過程で、子供たちの学びがより深いものとなりました。楽しく理解を深められ、とてもよい教材でした。2クラス分の教材を提供していただき、ありがとうございました。
阿部 聖之さん北海道 教職員