金属を変化させる水溶液

小6

粒子

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単元 水溶液の性質

目標 水溶液には金属を入れると金属が溶けて気体を発生させたり、金属の表面の様子を変化させたりするものがあることを捉えられるようになる。

準備

  • 塩酸 (3 mol/L)

    約10 mL
  • 炭酸水

    約10 mL
  • アルミニウム (アルミ箔など 酸化膜を紙やすりで削り落とす 軽くまとめて直径0.5-1㎝程度)

    2個
  • (スチールウールなど 軽くまとめて直径0.5-1㎝程度)

    2個
  • (他の水溶液 3 mol/L 水酸化ナトリウム水溶液など)

  • (他の金属 マグネシウムなど)

  • 12穴プレート

    1枚
  • スポイト

    2本
  • ピンセット

    1本
  • 安全メガネ (実験は必ず安全メガネを着用して行う)

  • 下敷

  • ワークシート

観察・実験

【事象提示】「酸性の温泉でシルバーネックレスが変色」「酸性雨で銅像が変色」
       ⇒ 酸性の水溶液は金属を変化させるのだろうか?
【問題】「水溶液には金属を変化させる働きがあるのだろうか」
【予想】酸性の水溶液は金属を変化させると思う、酸性の危険な洗剤もある、など

【準備】物品の確認。ワークシートに、水溶液と金属の名前を書き入れる。

【実験】12穴プレートを下敷の上に置き、アルミホイル、スチールウールを下段(C)に2個ずつ入れる。

【実験】①うすめた塩酸を2mLずつ上段(A)に、②炭酸水を2mLずつ中段(B)に加える。
【実験】③ピンセットでアルミホイル、スチールウールを塩酸(A)と炭酸水(B)に入れる。

【実験】④12穴プレートを、下敷の下方の黒背景に移動して観察する(反応を見やすくする)。

【結果】塩酸 ⇒ アルミニウムや鉄が溶けた。炭酸水 ⇒ アルミニウムや鉄は溶けなかった。
【考察】・溶けた金属はどうなったのだろう?  ・溶けた金属は取り出せるのか?

【結論】「水溶液には、金属を溶かすものがある」

豆知識

  • 市販の塩酸は12 M (mol/L)なので、3~6 M (1/4~1/2)程度に希釈して使用する。
  • 塩酸とアルミニウムの反応では、目に見えて反応が開始するまで数分かかることがある。表面の酸化膜を紙やすりで除くと速くなる。気温が低い時は、少し温めると速くなる。反応がはじまると、容器が熱くなるので注意する。
  • アルミニウムの激しく泡を出してなくなる様子と、鉄のゆっくり泡が出続ける様子を同じ「溶ける」と捉えづらい児童もいる。時間をおくとどうなるのか(鉄も数時間から数日で見えなくなる)など考えさせるとよい。
  • 塩酸への金属の溶解はイオン化傾向(K,Ca,Na,Mg,Al,Zn,Fe,Ni,Sn,Pb,(H),Cu,Hg,Ag,Pt,Au)で説明できる。水素よりイオン化傾向が大きいもの(左側)の金属は溶ける。
  • 多穴プレートは、少ない量の試薬で実験することができる。また複数のウェル(穴)で実験することで、実験結果を比較しながら観察することができる。もともとは細胞培養等に使われるものだが、現在はマイクロスケール実験用として「マイクロプレート」「セルプレート」の名前で、教材会社などでも入手可能である。

注意事項

・実験は安全メガネを着用して行う
・塩酸がついたときには、すぐに洗う・終了後は必ず手を洗う
・目に入った場合は水で数分間注意深く洗い、コンタクトレンズは外して目の洗浄を行う
・廃液は適切に処理をする

 

実験レポ