単元 物のとけ方(物が水に溶ける量の変化)
目標 食塩とミョウバンで学習した内容を生かし、水溶液に溶けていたものがどのように出てくるかについて考え、少量の塩化アンモニウム水溶液をタブレット顕微鏡で動画撮影しながら、塩化アンモニウムの美しい結晶を観察することで、温度によって溶ける量が違うことや、物質によって溶ける温度や量や結晶が違うことについて理解を深める。
観察・実験
【塩化アンモニウム水溶液の作製】手順①
なるべく熱いお湯(80-90℃以上)10mLをプラスチックチューブ等で計測し、塩化アンモニウム4g(約50℃で溶けきる量)を加え、ふたをしてよく振る(溶解熱が吸熱のためほぼ室温まで水温が下がる)。
【塩化アンモニウム水溶液の作製】手順③
児童へ配布時も60℃程度で湯せんしたまま配布する。これ以上量を減らすと液が冷えやすくなるが、1回の実験には0.1mL以下しか必要ではないので、数班
で共有してもよい。
【問題】
「溶けていたものはどのように出てくるのか?」
【実験】手順①
塩化アンモニウムが温度を上げるとよく溶けることを演示で見せる(もしくは水溶液作製を行う)
【実験】手順②
塩化アンモニウム水溶液を湯せんしたまま配布
【実験】手順③
タブレット顕微鏡の使い方を確認
【実験】手順④
プラ板にスポイトで1滴(直径約5mm※)たらす
※小さすぎると直ぐに再結晶し、大きすぎると再結晶が遅いので、教室の環境で事前に確認するとよい。
【実験】手順⑥
再結晶した様子をスケッチし、結果を共有(AppleTVなど)
【結果と考察】
「きれいな結晶が見えた」「溶けていたものと同じなのだろうか」「温度が下がったから見えた?」「蒸発したから見えた?」
【まとめ】
「溶けきれなくなったものが再結晶する様子を観察した」水温が下がるとともに、ゆっくり再結晶化させたので、元の試薬よりきれいな結晶ができた
豆知識
-
目盛付自立型プラスチックチューブ(遠沈管)25,50,100mLなどいくつかの容量のものがある
参考:http://www.atgc.co.jp/div/catalog3276/ga3275/a3275/p1.html
- 100円ショップのマクロレンズを活用した低倍率タブレット顕微鏡&デジタル虫めがね(約10倍)
- 【塩化アンモニウム】無臭、無色~白色、吸湿性の様々な形状の固体。肥料原料、染料・写真薬原料、メッキ溶剤添加剤、医薬・医薬部外品配合原料、食品添加物等。フィンランドなど北欧諸国で人気のあるサルミアッキ(リコリス菓子)というキャンディには塩化アンモニウムが使用されているため塩味とアンモニア臭がする。溶解熱が吸熱なので、溶かすと冷たくなる。叩いて冷える「瞬間冷却剤」の材料にも使われる。
- 【タイムラプス撮影】Apple純正のアプリでは、10分未満は0.5秒に1枚で15倍速、10分以上20分未満は1秒に1枚で30倍速…のように自動で倍速動画が作成される。別のアプリを使えば、自分で間隔を設定することもできる。

タイムラプス撮影した再結晶の様子
資料
実験レポ
リアルタイムで結晶ができるのを見れるのは大変おもしろい。
匿名さん熊本県 教職員
マイクロレンズは、とても使える道具だと思う。再結晶させるには温度、水の量の条件が厳しい。
匿名さん熊本県 教職員
撮影しているものと同時に容器の水よう液を氷水で冷やす活動をした方が、冷やすと結晶が出るというものと結びつけられると思った。特別な現象をみているような気になる児童もいるかなあという気がしましたので。(冷やすということをしているという理解を助けるために)
匿名さん熊本県 教職員
とけたものを再びとり出すことについての印象は強いのでとてもよいと思います。ただ、授業の流れとしては「じょう発によって水が少なくなって出てくる」と「水温が下がって出てくる」を区別して考えた方がよいと思うので授業のどこで使うかは検討が必要かと思います。
匿名さん熊本県 教職員
子どもたちは、ミョウバンの大きな結晶におどろき喜ぶので、結晶ができる様子を観察することは興味関心を高めるのに効果的と思われます。授業中にしかもねらった時間帯に再結晶させる温度と濃度の管理が難しいと思います。
匿名さん熊本県 教職員
まだまよっている。美しさとか感動が伴う良さがあるが一滴おとしたものが「冷えてる」と思ってくれるのか、が一番心配。授業の流れをもう少し考えると、使えると思うので、考えてみたい。
匿名さん熊本県 教職員
10mLはかりとるという作業は、小学校には少々難しいかなと思いました。結晶ができている様子が見られるのは子どもたちには印象的だと思います。
匿名さん熊本県 教職員
ミョウバンでぜひやってみたい。高い温度から冷えると結晶が出やすいのではないか。
匿名さん熊本県 教職員
子どもたちが、授業時間内で結晶の形成が体感できるような量や温度の調整が必要かなと思いました。録画したものを後で見ることができ、考察するときの一助になると思いました。
匿名さん熊本県 教職員
班のみんなで見ることができるし冷やされたことでみえることが実感できるし子どもたちはとても感動すると思います。ただ操作が(高さを合わせる等)が子どもには少し難しいかと思います。
匿名さん熊本県 教職員
レンズが100均にあると聞いて、早速やってみようと思います。顕微鏡→テレビ画面が今までの用具でできなかったのですが、すぐにできそうです。
匿名さん熊本県 教職員
現象を繰り返し観察できるなど内容大満足です。1年の担当になったら必ずやります。
匿名さん熊本県 教職員
ガスバーナーでとかす実験をして顕微鏡を使うのは1時間ではかなり大変なので手軽で良いと思った。
匿名さん熊本県 教職員
とてもきれで感動した。
匿名さん東京都 教職員
タブレットの使い方が良かったです。
匿名さん東京都 教職員
飽和水溶液を試験管に入れて同じ実験をしたことがありますが、こちらの方が簡単だなと感じました。
匿名さん東京都 教職員
計算で苦労する分野なので、せめて視覚的に楽しませてあげたい。
匿名さん東京都 教職員
教科書の実験だと ろう学校では前おき、注意点だけで1h使ってしまう。安全、簡単、見てわかる実験がしたい。今回紹介頂いた実験はぜひやらせていただきます。
匿名さん東京都 教職員
結晶成長はリアルタイムではっきり観察でき、シェアできる。(分かりやすい、指導しやすい)
匿名さん熊本県 教職員
班や全体でマイクロレンズを使うことで全体で共有することができとてもよかったと思います。
匿名さん熊本県 教職員
マイクロレンズの入手が大変そうであるがぜひしてみたいと思った。
匿名さん熊本県 教職員