塩化アンモニウムの再結晶

小5

粒子

教材一覧塩化アンモニウムの再結晶

単元 物のとけ方(物が水に溶ける量の変化)

目標 食塩とミョウバンで学習した内容を生かし、水溶液に溶けていたものがどのように出てくるかについて考え、少量の塩化アンモニウム水溶液をタブレット顕微鏡で動画撮影しながら、塩化アンモニウムの美しい結晶を観察することで、温度によって溶ける量が違うことや、物質によって溶ける温度や量や結晶が違うことについて理解を深めることができる。

準備

  • 塩化アンモニウム水溶液

  • スポイト

  • プレパラート用のスライドガラスやプラ板など

  • タブレット顕微鏡(iPad+マクロレンズ)

  • 【準備用】塩化アンモニウム

  • 【準備用】お湯

  • 【準備用】目盛付自立型プラスチックチューブ 25mL遠沈管、比較的目盛が正確なので計測にも使用しても可)

  • 【準備用】電子天秤

  • 【準備用】湯せん用ビーカーなど

観察・実験

【塩化アンモニウム水溶液の作製】手順①

なるべく熱いお湯(80-90℃以上)10mLをプラスチックチューブ等で計測し、塩化アンモニウム4g(約50℃で溶けきる量)を加え、ふたをしてよく振る(溶解熱が吸熱のためほぼ室温まで水温が下がる)。

【塩化アンモニウム水溶液の作製】手順②

ビーカーに熱いお湯を入れ、時々振りながら10分以上湯せんし、完全に溶かす。

【塩化アンモニウム水溶液の作製】手順③

児童へ配布時も60℃程度で湯せんしたまま配布する。これ以上量を減らすと液が冷えやすくなるが、1回の実験には0.1mL以下しか必要ではないので、数班
で共有してもよい。

前時までの復習

10分

【問題】

「溶けていたものはどのように出てくるのか?」

【実験】手順①

塩化アンモニウムが温度を上げるとよく溶けることを演示で見せる(もしくは水溶液作製を行う)

【実験】手順②

塩化アンモニウム水溶液を湯せんしたまま配布

【実験】手順③

タブレット顕微鏡の使い方を確認

【実験】手順④

プラ板にスポイトで1滴(直径約5mm※)たらす

※小さすぎると直ぐに再結晶し、大きすぎると再結晶が遅いので、教室の環境で事前に確認するとよい。

【実験】手順⑤

タブレット顕微鏡をセット※して、タイムラプス撮影開始

※適当なスペーサーで高さを合わせる。写真のスペーサーはクリアファイルを切って丸めたもの。

【実験】手順⑥

再結晶した様子をスケッチし、結果を共有(AppleTVなど)

20分

【結果と考察】

「きれいな結晶が見えた」「溶けていたものと同じなのだろうか」「温度が下がったから見えた?」「蒸発したから見えた?」

【まとめ】

「溶けきれなくなったものが再結晶する様子を観察した」水温が下がるとともに、ゆっくり再結晶化させたので、元の試薬よりきれいな結晶ができた

15分

豆知識

  • 目盛付自立型プラスチックチューブ(遠沈管)25,50,100mLなどいくつかの容量のものがある
    参考:http://www.atgc.co.jp/div/catalog3276/ga3275/a3275/p1.html
  • 100円ショップのマクロレンズを活用した低倍率タブレット顕微鏡&デジタル虫めがね(約10倍)
  • 【塩化アンモニウム】無臭、無色~白色、吸湿性の様々な形状の固体。肥料原料、染料・写真薬原料、メッキ溶剤添加剤、医薬・医薬部外品配合原料、食品添加物等。フィンランドなど北欧諸国で人気のあるサルミアッキ(リコリス菓子)というキャンディには塩化アンモニウムが使用されているため塩味とアンモニア臭がする。溶解熱が吸熱なので、溶かすと冷たくなる。叩いて冷える「瞬間冷却剤」の材料にも使われる。
  • 【タイムラプス撮影】Apple純正のアプリでは、10分未満は0.5秒に1枚で15倍速、10分以上20分未満は1秒に1枚で30倍速…のように自動で倍速動画が作成される。別のアプリを使えば、自分で間隔を設定することもできる。

タイムラプス撮影した再結晶の様子

 

実験レポ