流れる水のはたらき

小5

地球

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単元 流れる水のはたらき

目標 流れる水の速さや量に着目して、それらの条件を制御しながら、流れる水の働きと土地の変化を調べる活動を通して、それらについての理解を図り、観察、実験などに関する技能を身に付けるとともに、主に予想や仮説を基に、解決の方法を発想する力や主体的に問題解決しようとする態度を育成する。

担当竹下

準備

  • 黒土+川砂(1:1)

    3L
  • 2L程度
  • プラスチック段ボール (縦65㎝、横30㎝)

    1枚
  • ペーパータオル

    数枚
  • ビニルテープ

    2枚
  • つまようじ

    数本
  • ペットボトル500mL

    3本
  • バット (縦40㎝、横30㎝)

    1個
  • ペットボトル2L (土台用)

    1本
  • ダブルクリップ

    2個
  • ビニル紐

    70㎝程度
  • バケツ

    1個
  • シャベル

    1個
  • はさみ

    1個
  • 雑巾

    数枚
  • タブレットPC

    1台

観察・実験

【実験準備とポイント】

土と砂を1:1で混合し3L分用意する。シャベルで混ぜ合わせながら水500mLを入れる。足りない時は、さらに少しずつ水を足す。湿らせすぎないこと。ビシャビシャになるまで水を加えるのは多すぎ。

【実験準備とポイント】

プラスチック段ボール式流水実験装置(豆知識①参照)の表面に、滑り止めとしてビニルテープを貼る。折りたたむ時の折り目にあたる箇所には切れ込みが入っているため、端までビニルテープを貼ると汚れにくい。

【実験準備とポイント】

水を入れた2Lと500mLのペットボトル、雑巾などを使って、傾斜をつけて設置する。プラスチック段ボールの両サイドを少し立て、上部を、紐を通したダブルクリップで固定する。流した水を受けるバットを設置する。

【実験準備とポイント】

プラスチック段ボールの上に①で作製した土をのせる。その際、土が滑り落ちないよう、土の下にペーパータオルを敷く。
土を押し固めないように気を付けて、水が流れるくぼみをつける。土が削られないようにするため、水を落とすところに、ペットボトルのキャップを埋め込む。

学習課題の確認

条件制御に注意しながら、本時の実験条件について確認する。
変える条件は、水の量(大雨と少ない雨)、傾きの角度(山と平地)、のいずれか。

【実験に関する共通の注意事項の確認】
(ア)実験装置の確認
(イ)役割分担の確認(水を流す担当、写真を撮る担当ほか)
(ウ)実験する条件の確認

5分

実験:水の量(少ない雨)の実験①

ペットボトル1本を使って、写真のように水を流す。タブレットPCを使って、実験の前後で写真を撮る、水を流す様子を動画で撮影する。実験後の土の様子から、どのような変化があったか確認し、水がどのようなはたらきをしたのか考える。

15分

実験:水の量(大雨)の実験②

ペットボトル2本を使って、水を流す。実験①と同様に写真などで記録する。実験①の実験結果と比較し、水の量を変えたことによって、土の削られ方、運ばれる量にどのような違いがあるかよく観察し、水量と流れる水のはたらきとの関係を考える。

20分

結果のまとめ

グループごとに実験結果をまとめる。

5分

豆知識

プラスチック段ボール式流水実験装置のつくり方

プラスチック段ボール(縦65cm、横30cm)を用意し、下図の点線の箇所に切れ込みを入れる。


ビニル紐を通したダブルクリップを使って、プラスチック段ボールの両端を止めることで、より泥水がこぼれにくくなる。


ペットボトルを使って水を流す場合、ペットボトルの口に取り付けできる水差し等を使うと、より安定して水を流すことができる。100円ショップなどで購入可能。

流水実験はプラスチック段ボールの板以外にもプランターの受け皿や花壇に作った尾根などでも実験できる。

「理科ねっとわーく」・「NHKforスクール」・「デジタル教科書」などインターネットが活用できる。

ペットボトルキャップの下部は、決壊しやすいため少し高く土を盛るとよい。

珪(けい)砂(さ)という、主に石英の粒からなる砂を使うと、より浸食・運搬・堆積の現象が確認しやすくなる。土に比べ、浸食がおこり易いため、底が見える程度まで溝をつくり、緩やかな道をつくるとよい。水は少量をゆっくりと流すとよい。写真は、珪砂6号(30kg 2400円程度)。

「運搬」を確認しやすくするために、大きめの粒としてカラーサンドを混合するとよい。写真のカラーサンドは、新東陶料株式会社「R202」(1kg 500円程度)。

準備:珪砂6号 3kg、カラーサンド(2.4mm~0.5mm)100g、水 400mLを混合し、土の代わりとする。

※注意! 珪砂が目や口に入らないように気をつけて実験をしましょう。実験後は手を洗いましょう。もし目に入ってしまった場合、すぐに水で洗い流しましょう。もし口に入ってしまった場合、すぐに吐き出し、口をすすぎましょう。

① けずられている→しん食
② けずったものを押し流している→運ぱん
③ 流れてきたものが積もっている→たい積

指導計画表

川の上流、中流、下流の様子を見ることで、問題を見出す
○問題作りのための事象提示例
○川の上流・中流・下流の様子を写真や映像で見て、気付いたことや疑問に思ったことを出し合い、問題作りにつなげる。
○問題「川の流れる場所によってどのようなちがいがあるのだろうか」
○各自学習シートに、川幅・土地のかたむき・川原の石の様子・水の流れる速さに分けて、表にする。
○クラスで拡大した表にまとめ、それをもとに考察し、結論を導く。
結論「上流では水の流れが速く、川はばはせまく、角ばった大きな石が多く見られる。下流では流れがゆるやかで、川原は広く、丸くてちいさな石が多くみられる」
○前時の考察の中から、または浸食されているところや土や石が運搬されているところや土や石が体積されている写真や映像をみて、問題につなげる。
○問題「流れる場所によって川や川原の様子がちがうのはどうしてだろうか」
○教師提案実験・・・実験方法は前項を参照。
○予想を書く(絵や図でも可)。
実験1 班ごとに流水実験を行う・・・実験方法は前頁を参照。
タブレットPCで水の流れる様子を撮影(後で確認可)。
○各自が結果から考察する。
○考察から「水を多く流すとどうなるのだろう?」などを取り上げ実験2につなげる。
・・・出てこない場合は教師が水の量を増やすとどうなるか提案し、実験2につなげる。
実験2 班ごとに水の量を多くして流水実験を行う・・・実験方法は前頁を参照。
(タブレットPCで水の流れる様子を撮影)
○実験1、2 から結論を各自が考え、クラスで結論を導き出す。
結論「流れる水には地面をけずる(しん食)や土や石を運ぶ(運搬)や土や石をつもらせる(たい積)働きがある」「流れる水の量が多いと侵食、運搬、たい積の働きが大きくなり、土地の様子が大きく変わる」

~
川による災害や川による災害への備えの写真や映像を見ることで問題を見出す
○問題① 「川の水が増えることで、どのような災害が起きているのだろうか」
○各自で調べたことをまとめる。
・タブレットで川による災害(台風・梅雨・局地的豪雨・雪解け等)について調べる。
11○問題② 「川による災害を防ぐための工夫について調べよう」
○各自で調べたことをまとめ、発表する。
12○問題③ わたしたちの地域の川を観察に行こう・・・地域に川があれば実行しよう。
○学んだことを確かめよう。

 

実験レポ